今月のVOCEに興味深い記事がありました。
“「エロ」と「エロス」考”、それから植松晃士さんのコラム“美から出たサビ”のバスト考。 私は美容雑誌のこういうコラムが結構好きでよく読みます。 前向きでインテリジェンスな意味合いを帯びる「エロ」と、隠微さを漂わせる「エロス」。 その折り合いをどうつけてセクシーに導くかという発想が単にエロ(ス)考に留まらない 美容雑誌らしくてよかったですし、巨乳神話はむしろ女性の中にあるもので、男は 必ずしも大きさを追求してはいないという植松さんのバスト考も実は内心救われたもので あります。そして両方の記事から感じる、性的衝動に及び腰な現代の男性の傾向に 逆行するかのように高まる女性のセクシュアリティの追求。 性を堂々と語り、追求し、楽しむ。大いに結構。 だけれども、その欲求の露出がふえるにつれ、恥じらいというフィルターを通さない あからさまな情報が、これもまた堂々とメディアに流出して、思わぬときに赤面させられる ことが増えたように思う。 生理用品のコマーシャル。 あなたはパートナーとこれらを目にするときどのように感じますか? 新製品が出るたびに機能や使い心地がアップするこれらのアピールが細かに描写されれば されるほど、そのあっけらかんとした空気に逆に鼻白むことが私はしばしばあります。 たしかに個人的にはとても役立ってはいる情報なのですが。 でも、そんなあっけらかんとした空気はせいぜい女同士の間のものだけであってほしい。 セックスがもはや男のものだけではない時代に、パートナーに女性の生理を理解してもらう ことも大切かもしれないけれど、不必要な情報もやはりあると思う。 かつて男に悟られないようにひっそりと処理されてきたものが白日の下にさらされたら、 女の神秘性もかき消されてしまうんじゃないかしら。 生理用品とはまた違った意味で嫌悪を催すもの、それがブラジャーのコマーシャル。 初めて店頭でこの映像を見て、ものすごく後味が悪かったのです。 巨乳主義、谷間主義って、実は下着会社の扇動ではないかとすら思ったほど。 CMのストーリー設定の問題かもしれないけれど、あれは「エロス」ではなくて完全な 「エロ」ね。男性誌のグラビアを鵜呑みにして男の好みを悟ったとでもいうような、薄っぺらい、 そしてすごく商業的な意図の。 結局は女の密かな努力や悩みをメディアに暴露されたくないな、というのが本音です。 美の追求、セクシーの追求といったって、これでは結局オリジナルじゃないよね。 皆さん、これ着けて彼をまいらせちゃいましょー!って提案に安易に乗っかったんじゃ、 氾濫する“モテ○○”と同じくらい薄っぺら。 もちろん、巨乳を目指すのが悪いわけじゃない。全てメディアが悪いと言い切るつもりも ないし、後は個人のセンスと判断だと思う。 男性から男らしさが薄れている原因がいろいろ取り沙汰されているけれど、こういった あからさまな女の内面の流出に当惑してしまっているというのも考えられないかな。 あっけらかんとした空気が、女同士だと心地よいことはあっても、男性にも同様とは 限らないものね。 男性の「制服好き」はオトコの憧れを如実に語っていると思う。つまりそのまんま わかりやすいものよりも、想像力をかき立てられる神秘性の存在。 そこに意外性というエッセンスを忍ばせたら、きっと「モテ」サーフィンするよりずっと 効くんじゃないかと思うんだけどなあ。どうかしら。 ブログランキング ←こちらもおねがいいたします
by pariswalk
| 2005-05-03 13:38
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